雨の日の正面衝突

事故の概要

私が起こした事故は軽自動車同士の正面衝突です。2月の寒いある日、夕方からは雨が降り出し仕事を終えて帰路についたのはすっかり日もくれた20:00ぐらいでした。交通量の多い地方の国道で、私は上下2車線の4車線道路の区間を通過していました。

 

雨で視界も悪く、街灯のない区間であったため、サイドウィンドウ越しの風景も水滴で視界不良でした。疲れもあって注意力もいくらか散漫になっていました。私はいつの間にか工事中の区間に差し掛かっており、工事区間に気づかなかったことこそ事故の原因だったようです。

 

その工事とは、道路の幅員を広げるため上り2車線を通行止めにし、下り2車線で上下対面通行をするというものでした。

 

私は下り線の左車線を通行していました。前後に車がいたため何台か連なった車列で、スピードも時速60km程度そこまで猛スピードではありませんでした。サイドウィンドウをみると真っ暗な闇。いつもは中央分離帯を挟んで向こうの上り線に対向車が何台もいるのが当たり前の風景ですが、雨天と疲れがその違和感を鈍らせてしまったようです。

私は先を急ぐ必要など無いにも関わらず、何の気なしに「数台追い越そう」と考えてしまったのです。そう、工事区間で対面通行となっていることに気づかないまま。

右ウインカーを3回程度点滅させ、すぅっと右へ移動した瞬間でした。200メートルほど先の正面にヘッドライトが見え、一瞬時間が止まりました。猫が光を見て立ちすくむように、身体がこわばり、咄嗟にブレーキを踏むことしかできませんでした。

急ブレーキによりタイヤはロック。徐々に接近するヘッドライト。衝突の瞬間エアバッグで視界が真っ白になり、火薬に似た匂いが車中に充満していました。衝突から数秒間は意識が飛んでいたようです。左の胸がやけに痛いことと、火薬の匂いに危険を感じてはうように車外へ出ました。

胸が苦しく呼吸が困難な状態で、後続車両の方が救急車を呼んでくださったようです。双方とも車両は運行不能で、幸い打撲程度の軽症と見られたため、事故相手とのやり取りは救急車で搬送された病院で、診察が終わった後に行いました。

そこでのやり取りでは、双方の命に別状がなかったことにひとまず安心し、その後はすべて保険会社に一任するということの確認を行いました。ここではじめて双方の免許証を確認し、自分が任意加入している保険会社に電話をしました。

保険会社との電話でそれまでの経緯の説明をし、以降は相手方との直接の連絡は控え、保険会社に任せるようにとのことでした。

その間、警察による事故見聞と処分報告などを受けました。危険運転行為による人身事故で、3ヶ月以上の治療を要するということで13点減点だったと思います。

後日うすうすは私も判っていましたが、保険会社からの連絡で、過失割合は10対0でこちらの過失。相手の車両は廃車になったと聞かされました。相手方の損害額について、保険会社から聞いたか聞いていないか定かではありませんが、保険範囲での車両代とかなり長引いた通院費により、半年以上が経過して決着したようです。

私の損害は廃車となった軽自動車の車両保険で100万円程度、通院の必要はなかったためその他の支払額はありませんでした。

 

事故のあと当然ですが免許の等級もぐっと下がり、保険料も高くなってしまいました。しかし、対人対物無制限の条件だけは恐ろしくて外すことができません。

相手も軽自動車であったことが幸いして、大きな怪我もなく人命を保つことができましたが、あの通勤車両の多い時間帯の国道では軽自動車は4台に1台もいなかったはずです。そう考えると、本当に大惨事は紙一重のところで起こることが身にしみて判りました。