前を横切ろうとする相手方の乗用車の側面に衝突した事故

1.事故の概要

私が社会人になって3年目で起こした事故の体験談です。薄曇りの日の早朝、私は、8人乗りのワンボックスカーに運転手を含め、大人8人を乗せて目的地に向かいました。

出発地点は、数年前まで、自然豊かな田園風景が広がる、のどかな場所でした。車の轍が残る未舗装の道路や、自動車の離合が困難な細い道もたくさんありました。抜け道として、使う者もいますが、多くの者は、遠回りしてでも、国道を通っていました。

ところが、宅地造成が進むにつれて、道路の整備も進み、今では昔の自然豊かな田園風景のそれとは全く別の景色が広がっていました。同乗者の一人がこう言いました。「この新しい道が近道よ」これが運命の分岐点になるとは知らず、「じゃあ、この新しい道をいってみようか」と私は答えました。

片側一車線の道路でしたが、しっかりとガードレールで囲われた新しい道路でした。右側には広い畑が広がる中で、ポツリ・ポツリと宅地造成が進んでいます。左側には用水路が流れ、まだ現役のビニールハウスが立ち並んでいました。

確かに、この新しい道路は、国道の渋滞を避け、目的地まで最短距離で行ける道路でした。まだ、交通量はほとんどありませんでした。この道路が新しくなった今でも、国道から迂回してくる自動車があまりないのは、昔の道のイメージが残っているからなのかなと思いました。

私は、信号もないこの道路を、なんの不安もなく走行しました。見通しも申し分ありませんでした。左右すべて見渡すことができ、死角はないように思われました。私は同乗者と談笑しながら車を走らせました。しばらく走って、小さな橋にさしかかろうとしたとき、左手から、スッと白い乗用車のボンネットがせり上がってくるのが見えました。

事故は一瞬の出来事でした。

私は、アクセルを離し、少しブレーキをかけて速度を落とし、クラクションを鳴らしました。そして万一、白い乗用車のボンネット部分が、当方の進行する道路側に少しくらい出たとしても、いつでも避けられるように、対向車線側にハンドルを切りました。ところが、白い乗用車は道路側に少しはみ出すどころか、一旦停止もせずに横切ったではありませんか。

私は、急ブレーキをかけるとともに、「ぶつかるぞ」と同乗者に向けて叫びました。私は避けるまもなく、当方のワンボックスカーは、相手方の乗用車の運転席側の側面に衝突しました。「ガンッ」と鈍い音が聞こえましたが、衝撃はあまり感じませんでした。しかし、相手方の運転席側の窓ガラスは、小さな粒になって、相手方の運転手の上半身に、降りかかりました。2台の乗用車は新しい道路の真ん中にTの字になって止まりました。

助手席に一人、後部に6人も同乗させている上、相手方の運転手が、相手方の運転席側の窓ガラスを頭からかぶったのを見て、私はヒヤッとしたものを背中に感じました。

当方の運転席側から相手方の運転席を見る限り、血は出ておらず、無事のように見えました。次に、私は、当方の助手席の同乗者に、「大丈夫ですか?」と小さく声をかけました。助手席の同乗者は目を大きく開けて、ウンウンとうなずきました。私は振り返り、後部座席の同乗者に、「大丈夫ですか!」と大きな声をかけました。全員、驚きを隠せない様子でしたが、「大丈夫です」と答えてくれました。

2.事故現場での相手とのやりとり

私は、当方の運転席を降り、相手方の運転席に「お怪我はありませんか」と声をかけました。相手方は初老の男性でした。相手方は「すみませんでした」としっかり答えました。私は安堵しました。周囲を見渡すと、相手方の出てきた道路に、一旦停止の標識があることに気が付きました。

3.保険会社とのやりとりと過失割合

保険会社から連絡があり、過失割合は2:8で当方に過失があるということでした。私は納得がいきませんでした。そこで、保険会社に問いました。「当方が2車線の道路を走行中、相手方が一車線の道路を、一旦停止の標識を無視して、飛び出してきて事故が起きたのに、どうして当方の過失が重いのか」と。

最初、保険会社は古い地図を見ながら話をしているようで、道路の形状について、話が噛み合いませんでした。そこで、私は、道路が新しくなったことを保険会社は知らないから、過失割合は2:8で当方に過失があるという判定は、誤解に基づくものとばかり思っていました。

私は「細い道より太い道のほうが優先」「右方より左方が優先」と理解していました。このため、当方が太い道の方を走行しており「優先」なのであるから、細い道を飛び出してきた相手方のほうが悪いし、相手方は一旦停止の標識を順守していないという思いから、当方に過失があることに納得がいきませんでした。

最終的に過失割合は変わらず、「過失割合は2:8」で当方に過失があるという結果でした。

4.自分と相手の損害額

当方の損害額はフロント部分の板金で7万円程度、相手方の損害額は25万円程度だったと記憶しています。

5.事故に遭って自分の自動車保険について思った事

最近まで、この事故のことは、示談が成立しているとはいえ、自分の中で納得がいっていませんでした。しかし、「細い道より太い道のほうが優先」「右方より左方が優先」というのは、お互いが譲りあうときにこそ使われるべきものであると、最近になって、ようやく気が付きました。

参考 → 出会い頭の衝突事故でなぜ左方が優先される?

すなわち、道路上でハンドルを握る者にとって、我先にと「優先」を主張するのは傲慢な考え方であり、危険な考え方だということです。もし、このような考え方の両者が、出会い頭に出会ったとすれば、その時、事故というものは起こるのではないかと考えています。

自動車保険は数ありますが、申込みの利便性や保険料だけで保険会社を選ぶのではなく、事故が起こった時に金銭的な援助をしてくれて、交渉の窓口になってくれる強い方となってくれるなど、心強い保険会社を口コミや紹介で選ぶことができれば、それが一番良いのではないかと思いました。

私は事故を通じて、保険会社の人と話をしていく中で、保険会社の人の言葉の意味が、その時はわからなかったとしても、徐々に気付かされることがあると実感しています。これから自動車保険を選ばれる方は、良い自動車保険会社、そして良い担当者に出会って欲しいと思います。